東海地域の大学におけるBCP策定に関する研究 (第1報) 災害時の大学における給排水衛生設備の対策

摘要

本研究は、東海地域の大学におけるBCPを策定する事を主目的としている。本報では、建屋の現況調査、並びに災害時に最も重要となる給排水衛生設備における対策について研究成果を報告した。以下に、得られた知見と今後の課題を示す。1)東海地域の大学における災害は、地震並びに津波や河川氾濫による建屋への浸水被害への対策が最重要項目である事が分かった。2)機械室が地下配置の為、浸水被害が起こった場合は建物機能が全停止する恐れがある事が分かった。3)災害時における学内の滞在人員は、学生が大半を占める事が予測され、学生に対する周知と対応が非常に重要である事が分かった。4)学内の滯在人数による上水?中水は、共に貯水のみで対応できることが分かった。また、都巿の排水インフラ機能が断絶した齢は、貯留水の使用不可能となる為、マンホーノレトイレシステム等の対策が必要であることが分かった。今後の課題として、学内の想定を超えた場合の対策として、地域と連携してリスク分散を図ることが必要であると考える。