1970 年代の日本／オランダ両国の試作工業化住宅評価に関する考察イランにおける工業化住宅の研究－1

摘要

現在イランでは住宅問題が深刻化しており注1、住宅産業工業化の必要性が認識され、政府も本格的に工業化支援注2を行っている。これに先行して、1950 年代以降、先進国から工業化住宅技術を移入し、国内で試験的に建設された事例が認められる文献3。本考察に関連して、政府の住宅・建物研究所注3 図書館において、当時、国内に導入が試みられた工業化住宅に関連した資料の調査を行った。同研究所は、工業化住宅の住宅性能の調査や評価を行っており、現地調査の結果、当時、民間会社を介して輸入が計画された4 システムに関する住宅性能評価書（以下、評価書）を入手した。同資料はいずれも1977 年に出版され、資料中に軽量鉄骨枠組み工法住宅として日本文献1／オランダ文献2 両国の工業化住宅に関する評価書が確認された（日本のシステムは「TOYO システム」、オランダの事例は「Prins システム」）。