大規模ヒートアイランドの進展に関する基礎的研究（その 2）都市化の進展がヒートアイランドに与える影響の検討

摘要

関東平野全域を対象としたメソスケール解析を行い、また1976 年・1987 年・1997 年の土地利用データを用いる事により、近年の都市化がUHI の進展に及ぼす影響について検討を行った。グローバルスケールの温暖化の影響を排し同一初期条件・境界条件で解析を行った結果、東京湾に近接する地域ではその差異は微小だが、内陸部に着目すると都市化の影響により日最高気温の上昇、海風到達時間の遅延が認められ、都市化によるUHIの進展は内陸部ほど深刻な様子が示された。しかし本研究では国土数値情報の土地利用データのみで都市化の再現を試みており、都市の高層化や高密化の影響等を反映させた解析についても検討する余地があると考える。