Ｈ形鋼のウェブ部分にコンクリートを充填した合成梁の耐火性能: 負曲げモーメントを受ける上フランジとスラブ天端を同一とした合成梁の耐火実験

摘要

上フランジとスラブの天端を同一とした合成梁に負曲げモーメントが作用する場合、端部曲げモーメント比0.275,0.56(下面加熱),0.50,0.70(上面加熱)で、113 分から360 分以上の耐火性能を有することが確認された。M/sMyと耐火時間の関係を既往の実験結果とともに比較して図－６に示す。モーメント比がほぼ同じ下面加熱のNo.6 と既往Aを比較すると、今回のNo.6 の方が既往2)の合成梁より耐火時間が長くなっていることがわかる。これは、前報と同じ理由で、上フランジがスラブに覆われているため耐力低下が少なかったためと考えられる。前報の結果と合わせ、正・負曲げモーメントが作用する場合の耐火実験結果を用い、建物全体の耐火性能を検証し、本合成梁を実プロジェクトに適用することができた。