カマガワヤード社会実験: 栃木県宇都宮市釜川におけるパブリックスペースのデザイン（5）

摘要

栃木県宇都宮市の中心市街地を流れる釜川沿いにおける、低未利用地を活用した、まちなか活性化の社会実験である。　釜川は、かつて頻繁に氾濫したため、1980 年代後半に二層構造に改修され、プロムナードや広場が整備された。しかし、近年は市街地が空洞化しつつあり、地域の再生と活性化を目指して、都市の自然である河川を活かしたまちづくりが行われている。筆者らはこれまでに、プロムナード整備20 周年記念事業における「竹のパビリオン」 や、春の「桜まつりの川床」 、冬の「イルミネーション」 等のパブリックスペースのデザインを実施してきた。これらの季節や時期に応じた一時的な設えをふまえ、河川空間と周辺の空地の日常的な活用を目指して、「カマガワヤード」と名付けた社会実験を行った。2018 年度に実施した「まちなか活性化ワークショップ」を起点として、その参加団体を中心にＫＡＭＡＧＡＷＡＹＡＲＤ実行委員会が組織され、沿川の飲食店舗の協力のもとに実施された。2019 年6 月のプレ社会実験を経て、同年11 月から翌年の1 月にかけて社会実験を実施した。