駅コンコースにおけるキャリーバッグ使用者の滞留行動に関する研究: 京成上野駅を対象とした滞留シミュレーションを通して

摘要

近年、通勤や通学でキャリーバッグを使用する人が増加しており、その移動や滞留によってトラブルや混雑が多く発生している1)。また、2020 年の東京オリンピックによる外国人観光客の増加に伴い、ターミナル駅のコンコース等でさらなる混雑が予想される。本論では京成上野駅を対象として観察調査を行い、キャリーバッグ使用者の歩行と滞留行動の特徴を把握した。また、キャリーバッグ使用者の滞留行動をモデル化し、シミュレーションすることで、駅コンコースの混雑緩和の可能性を示した。その結果を踏まえ、①キャリーバッグ使用者の歩行傾向と滞留分布傾向、②空間要素の追加・移動によるキャリーバッグ使用者の滞留分布の変化の二点を明らかにする。