西山夘三の1960年代の建築資料に現れる都市と景観のイメージ「地域空間論」と「住み方の記」を対象として 2/2

摘要

①『地域空間論』では1949年以前からの経済発展政策への注目を基盤として、後年は観光など多様な話題が展開され、資本中心的な観光への批判、および文化財利用を検討する具体的な観光論が展開されていた。②『住み方の記』では、家庭・暮らしの[語彙]を論点として若年期・壮年期・老年期で異なる[語彙]を展開し、観光に対して『地域空間論』と同様批判的な主張の一方、肯定的な主張も見られた。③『住み方の記』の図版から、居住生活圏における集いを軸とした西山の生活観の様相が現れた。