ジヤン·バテイスト·コルベールの書簡 「ヴエルサイュ宫殿: 概論」の位置付けと解釈をめぐる諸問題

摘要

序.ヴエルサイュ官殿新城館の沿革とコルベール書簡ルイ13世(Louis Xin)の狩狐猟館だったヴェルサイュ城館が大宫殿への第一歩をしるしたのは、1668年から1670年にかけて新城館が建設されたときである。「包囲建築(enveloppe)」と呼ばれるこの新城館の沿革については、1940年代から様々な論が戦わされてきたが、このように多くの解釈が存在しえた最大の理由は、この問題に関わる史料、とりわけ国王付建設局長官ジャン.バテイスト'コルべ一ル(Jean-Baptiste COLBERT)が残した3通の書簡のうちの1通に、それが書かれた年も日付も記されていないことに帰されるだろう。