医療制度改革に伴う療養病床の増改築に関する事例研究

摘要

医療・介護の給付費が国の財政を圧迫する中，2006年6月に医療制度改革関連法が国会で成立した。この中では高齢者の社会的入院を解消するために，長期入院患者のための療養病床を現在の38万床から2012年迄に15万床へ大幅に削減する事が謳われており、介護施設への転換等が想定されている。しかし、療養病床と介護施設とでは施設基準が異なるというハード面での問題や、具体的な転換の支援策が不明であるといった状況から，多くの療養病床は他施設への転換を決めかねているのが現状である。そこで本研究では、介護施設等への転換を視野に入れつつ、建物の増改築をいち早く計画・実践している療養病床の事例を対象として調査を行い，増改築計画の内容や今後の運営方針について明らかにする事を目的とする。