近代建築の動態保存に関する用途変更と構法の研究: 都道府県庁舎建築について

摘要

1)建物の外部は創建時に合わせて復原し、内部の構法や構造体には活用を考慮した改修が多く見られる。2)外装では軒廻りに傷みが多く抜本的な改修を必要とする場合がある。また、耐久性を考慮して金物の材質変更、合成樹脂塗装を施すなどの対策がなされることが多い。3)復原する部屋の重要性によって当初に倣い復原することもあれば、活用を考慮して改修する場合もある。4)屋根廻りなど水仕舞いについては仕様そのものを変更するなどの措置を取ることが必要な場合が多い。5)木部の改修は慎重に行う必要がある。なお、本研究の実施にあたっては、菊池雄治(当時宇都宫大学修論生)の努力によることが大きい。