要件命題の表現形へのあてはめと設計のミクロプロセスへの逐次的適用に関する考察: 建築設計要件の解釈の多様性およびその形態への彩響に関する研究　（その1)

摘要

設計のミクロプロセス内の分析・総合・評価の各フエーズにおいて、設計者が意識する要件命題の形を計測形・指定形・検定形の3つの表現形としてあらわし，このあてはめの任意性によって、生成する建築形態に多様性が生まれうることを、原理的に説明した。前述の「1)設計プログラムの解釈の多様性」による形態の多様性を、すべて表現形のあてはめに帰すことはもちろhできない。本稿で論じたミクロプロセス内での命題の適用様態とは別に、マクロプロセスの中でのその段階での命題セットの継時的選出の任意性があり、これら二水準の任意性によって形態の多様性が生まれていると考えられるのである。今後ケーススタディを交え、本考察を発展させたいと考えている。