チュントウ団地の住棟間における露店の領域と構成について: ベトナム・ハノイの団地型集合住宅地の改善手法に関する調査研究(7)

摘要

以上の結果、流動型を含めて、住棟間における露店の領域を客、店主、駐輪などのスペースに着目して模式化して示したのが図9である。それぞれの店は客のあり方によつて大きく変わる。特に滞在型ではまず客の位置は周囲の道路の交通量や周辺施設(客となる歩行者などの動き)によって決まり、次に店主は場所に応じた状況(住棟間のしつらえや樹木)をふまえて客に対峙できる場所に位置する。そして、バイクの駐輪が店の領域を画す。店が隣接し合う場合、駐輪は互いの境界で行われ、店が隣接しないところでも店の範囲を示している。また、パラソルゃォーニンダは安定した日陰を作り出し、店主や商品(主に食品)に対して快適な環境を提供している。それと同時に店主のいる位置を覆うことで周囲からは一種のサインの役割を果たしている。