内部空間配置の極座標分析: ハンス・シャロウンの劇場建築等をケーススタディとして

摘要

研究結果を要約すると次のようになる。人が主要な点に立ったとき、視線が空問要素をとらえることにより、空間把握を容易にさせ、一見複雑に見える空間構成においても、人の位置と方向を知ることができる。そして階段や人の動線に関わる重要と思われる空問への最小視野角は3度であることが多い。凝視角は3度といわれており、凝視角を考慮したのでないかと考えられる。ベルリンフィルハーモニックコンサートホールやべルリン国立図書館において、内部空間の始点であるェントランスに立った時、棰座標を意織できるエントランスホ—ルは、受付、クローク、階段、休憩スペースなどの配置をパノラマ(全景)として見せ、大きな眺望を与えながらも、同時に視線の角度によって移動の方向性を知らせるという特徴がある。これは内観がパノラマとなって視点をとらえていると表現できるパノラマ空間である。