2時点のシミュレータに反映された街の変化と経路選択の差に着目した考察: 都市空間における来訪者の経路選択と交差点における視覚要素の関係分析　その2

摘要

本報では、来訪者の経路選択と視覚要素の関係を、まちなみの変化した2つのシミュレータ画像を使って比較することで、次の点を再確認した。まず、来訪者は交差点に立地する建物をきつかけにして経路選択をする。きっかけになりやすい建物はガラス張りの店舗や特徴的な外壁など、回遊の目印にしやすいものであることがわかった。また、路地への進入へ影響を与える要素は前報で明らかになった交差点に立地する店舗、商品の溢れ出しやオーニングなど店舗の存在を示すものの他に、路地の整備状況や歩道の有無など歩行環境が改善されている路地であることが観察された。逆に放置自転車や自動販売機は進入を抑止している様子が観察され、安全で快適な歩行環境は進入を助長する重要な要素であることがわかった。