都市の象徴軸を生み出した市区改正地区マカオ都市史研究 その3

摘要

市区改正は、1838年から1910年の間に形成されてきた華人街の空間構造のうえに実施された。新馬路など新市街地が旧市街地に与えた影響は確かに大きいが、部分的に見ていくと、新市街地も旧市街地をベースとして成立したことが明らかになった。マカオの華人街（チャイナタウン）は海岸線に沿って発達する。近代以降の開発により、個々の場所ごとに港との関係を保とうとして道が通され、それにより全体では街区が不整形なかたちで形成されていく。その不整形で狭小の街区に応じながら、敷地割がなされ、建物がつくられていく。その過程で、マカオならではの高密、高層という特徴が街区や建築の空間構成に表出していったと言えよう。