住民による地域空間の制御の展開: 京都市中心部における住民主体のまちづくりの事例から

摘要

住民による地域空間の制御の展開について分析し、それぞれの対象事例を比較すると、活動単位が1町から隣接する複数の町内へと拡大していることがわかる。 1)と2)の対象事例を比較すると、問題対応能力はどちらも備えているが、2)はそれに加えて、日常的活動で多くの成果を挙げている。その意味で1)から2)へは発展していると言える。また、1)、2)におけるまちづくり運動等は、その後の行政の施策に一定の影響を与え、その成果もあり、3)は行政の支援を得つつ活動している。3)は、まちづくりの新たな潮流の中の一つに位置付けられるが、行政関与があるという意味で1)、2)とは性格が異なり、今後、合意形成•問題対応が可能となるかが問われる。