整備新幹線開業が通過型沿線地域に及ぼす影響

摘要

今回の報告では、開業前になされた新幹線効果予測の多くが過剰評価であったとして具体的に捉えることができた。ここで開業3年目の九州新幹線についてふれると、鹿児島市の特に駅周辺部では開業によって主に観光による一定の経済効果があったようである。しかし、これまでの長野新幹線での分析結果と昨年行った現地調査を踏まえると、連結する都市間や立地条件、時代背景などに多少の相違はあるものの、観光ブームが落ち着いてからの新幹線利用の方向性と、しなの鉄道よりも厳しい経営状況にあると言われる肥薩おれhじ鉄道の取り扱いについて、取り残された沿線地域の地域振興など、今後九州新幹線についても大きな課題となっていくと推測される。