小劇場集稹エリアにおける舞台芸術活動の関係性: 舞台芸術環境の構築手法の研究　その2

摘要

①東京の小劇場集積エリアでも下北沢は特に高い劇場稼働率を示し、客席数/使用劇団層/上演期間等の面で多様な活動を可能とさせる創造環境をつくり出している。②80年以降の段階的な劇場建設とともに舞台芸術活動が集積し、開設した劇場にまた新たな舞台芸術活動が集積するといった循環を生むことで、舞台芸術活動における下北沢の価値が形成されたといえる。その過程で、舞台芸術を鑑賞する機会の増加のみならず、人的な資源の集積の結果、質的な批評の場としても機能してきた。様々なメディアなどに展開することで舞台芸術以外の部分でも、首都圏において一つの知名度を獲得することへ寄与したものと考える。ここに下北沢という街の形成にかかわる小劇場集積の重要な役割が示されている。