入居者の環境移行からみた民家改修型グループホームの評価: 改修型グループホームの評価に関する研究(その7)

摘要

新築型では入居者の殆どがスタッフ主導の活動に依存しており、受動的な生活を送っている一方で、改修型では、住宅の持つ設えや空間を手掛かりとして、スタッフの援助を受けながら、入居者が主体的な生活を築いている。GHの本来の目的が入居者の主体的な生活環境形成にあるならば、改修型の有する住宅らしさは、その生活環境に向けた円滑な環境移行を実現させていると評価でき、入居者の住履歴を反映した空間や、主体的な活動のきっかけとなる設えが、入居者各人の円滑な環境移行をもたらす要素として重要である事を示唆している。