繰返し荷重を受ける実大3層鋼構造骨組の損傷と崩壊特性(その4 非構造部材と構造体の相関)

摘要

(1)現行の耐震設計において大地震時に想定される最大層間変形角もしくはそれよりやや大きな層間変形角である1/75に対する繰返し載荷に対して，ALC版は，1層下端部における取付けアングルとの接触によるわずかな亀裂を除いて，ほとhど無損傷にとどまっていた.またALC版は構造体の挙動(剛性，耐力)にほとhど影響を及ぼさなかった.(2)現行の耐震設計において大地震時に想定される最大層間変形角をはるかに超す1/25に対する繰返し載荷に対しても，ALC版は脱落することなく，また損傷も1層下端部の亀裂と，コンクリートの部分的剥落にとどまり，ALC版を貫く亀裂は全く観察されなかった.さらにALC版は構造体挙動にほとhど影響を及ぼさなかった.