性能可変オイルダンパーを有する４質点系免震試験体の振動台実験およびその適用性の検討その1 性能可変オイルダンパーの概要?単体実験結果および振動台実験の概要

摘要

1995年の兵庫県南部地震以降、免震構造を適用した建築物は急激に増加したが、近年では従来の設計で想定していない規模の巨大地震や長周期長継続時間地震動により、免震層クリアランスや免震装置の性能限界を越える過大な免震層変位の発生が懸念されている。これに対し、免震層への更なる減衰機構付加によって免震層変位を抑制する場合、上部構造の床応答加速度が増大し、中小地震時における居住性を犠牲にする設計となりうる。このような課題に対し、井上らは電源やコンピュータによる制御を必要とせず、変位に応じた減衰性能の変化が可能なスマートパッシブ型ダンパー、性能可変オイルダンパー(Variable Oil Damper、以下VOD)を提案した。