『ル?アーヴル港湾2000』から『グラン?パリ』へ:フランスに於ける重層的視点に立脚した港湾整備の一事例

摘要

我国では港湾整備も「選択と集中」の対象とされ、国際戦略コンテナ港湾や国際戦略バルク港湾の選定、さらには民間活力の導入施策が進められている1。とはいえ、上記の政策には以下の視点の欠落があるのではないか：①港湾は単なる物流拠点ではなくウォーター?フロントというアメニティを提供する潜在力を有している；②港湾再開発の中で継続使用困難な場所や施設が放置されると地域の価値や治安が損なわれる可能性がある；③港湾の円滑な機能のためには後背地との連関を考慮に入れたマクロな計画が立案されなければならない。