人間による空間認識の多様性: 「地元」という概念への認識を対象として

摘要

本稿の目的は，人々の「地元」に対する認識を事例とした数量的な解析から，人々の空間認識に関する多様性の構造や空間からの作用について考察する事にある.分析の結果，多義性のある概念に対する人々の認識や想いの在り方は多様だが，その中に一定の共通点も見いだせる事が明らかになった.多世代共創社会においてその様な概念を用いたまちづくり·都市計画を行う際は，概念に対する人々の認識を一様のものとする事は困難と考えられ，多様性の存在を前提として，地域の状況から人々の認識の傾向を推測·把握したうえで計画を行う事が重要といえる.