Ｅ－ディフェンス実験に基づく大規模空間吊り天井の脱落被害低減技術開発 その 20 周波数領域における屋根面応答の分析

摘要

Ｅ－ディフェンス震動台を用いて行われた実大鉄骨造 体育館の加振実験より，山形形状の屋根面について周波 数領域での分析を行った。屋根面中央を基準とするコヒ ーレンスの分析から，一次モードの固有振動数までは高 い値を示しており，一次モードでは一体として屋根面は 振動すると考えられる。しかし，一次固有振動数より高 い振動数領域ではコヒーレンスの値が低下することから， 複雑な挙動を引き起こす可能性がある。特にブレース材 の塑性化が生じるK-NET 仙台波80%，100%では，一次固 有振動数以降でコヒーレンスの値は著しく低下すること が確認された。将来的に天井の設計用外力を考える場合， 屋根面の高振動数領域が天井にどのくらい影響を与える かの検討が重要となる。