建築·都市はどこまで備えるべきか

摘要

本PD資料では火山噴火に伴う現象を整理し，そのハザードの評価例を紹介するとともに，建築や都市に及ぼすリスクについて検討した。火山災害を理解するためには破局的噴火のように超低頻度かつ超激甚災害についても思いを馳せることが必要である。過去には都巿や国家の壊滅的破壊や，地球規模の気候変動，飢餓や疫病，戦争を誘発した火山災害もする。火山災害対策では「少しでも可能性があるなら対策すべき」という呪縛から逃れ，今後我が国で起こりうる火山災害の可能性とその影響を再度詳細に検討し，建築·都市としてどう備えるか，あるいはどう諦めるかを議論することがきわめて重要である。