期待感の強さと坂道空間形状およびその視覚的効果の関係: 坂道空間における期待感に関する研究 (その1)

摘要

本編で得られた結論を以下に述べる。(1)期待感を感じる坂道空間は、上り坂において形状「a」「f」「i」「j」「k」、下り坂において形状「c'」「e'」 「f'」「g'」「h'」「i'」「j'」「k'」である。期待感を感じない坂道空間は、形状「b」「d」「d'」でぁる。(2)坂道空間における期待感強さの数量化を行った結果、期待感は下り坂よりも上り坂で強く、斜面よりも階段の方が強いことがわかった。(3)坂道空間の印象評価実験より、「特異性」「開放性」「規則性」「現代性」「自然性」「快適性」の6因子軸が得られた。「特異性」「快適性」は期待感の強さと相関が強く、「特異性」「快適性」が高いほど期待感は強い。