都市の中で'いい感じ'に人が居る場面に関する研究: 対象の様子•理由からみた人間一環境関係の基礎的分析

摘要

今回、関西圏におけるいい感じの場面を収集し、都市の中で人(本論における対象)が居ることが都市生活者(本論における観察者)に、様々な意味•価値を場所に対して発見させる手がかりになることが実証された。収集された場面をみると、その対象の様子から、女性のみ、1人で居る場面が少ないなどの傾向がみられ、また、人が座ることができる、座って居られる場所の重要性が再確認される結果となった。さらに理由の分析から、<対象><他者><場所><観察者(私)>とそれらの関係性という枠組みでいい感じの場面をみると、対象そのものや場所そのものを起因とする事例も多くみられるが、場所や他者との様々な関係を観察者が読み取ることにより、いい感じであると認識される場面も都市生活において少なくないことがわかった(図3)。