防犯優良マンションの入居意識についての考察: 2 事例のケーススタディに基づいて

摘要

防犯優良マンション登録制度は東京都では、平成16 年10 月1 日から運用開始。その後、審査基準等を改正し、平成24 年2 月15 日現在、マンション20 棟が登録認定されている。主として侵入犯罪防止を目的とした標準認定規程は標準となるものであるが、各都道府県の独自運用のため、防犯性能レベルには多少の開きもある。漠然と犯罪不安を抱えながらも、自分の周囲ではそれほど治安については不安視していない人々にとっては、特に新たに対策を講じずとも、ー定の防犯システムを完備した住居というものは大変心強いものであるが、認知度はまだー般的に浸透しているとは言いがたい。東京都内にて防犯優良マンションとして認定されている2 事例を対象とし、居住者の意見を中心に、居住者の入居意識と入居後の問題、また、実際の外観から侵入犯罪に耐えうる設備がなされているかを調査した(表１)。