フィラデルフィア西部地区におけるロウハウスの空間構成

摘要

アメリカ最初期の計画都市であるフィラデルフィアは、ウィリアム・ペンの命を受けたトマス・ホームによって1682 年にその都市計画が策定された１）。都市化の過程で、連棟式都市型住居であるロウハウスは地区ごとに特徴ある発展を遂げ、空間構成が変化した。中心市街地では大小様々な規模のロウハウスが建ち並ぶ。東から徐々に開発が進んだ影響で、東側では規模が小さく、西側ほど規模が大きいという傾向がある。そしてペンによる計画街区のさらに西（23 番街以西）には小規模なものが多い２）。本稿は、フィラデルフィア中心市街地、その西部地区におけるロウハウスの、主に内部空間の構成形式を分析した上で東部地区との比較を行い、その特徴の一端を明らかにすることを目的とする。