居住性からみた木造大スパン床の歩行振動の評価方法に関する基礎的研究その6　振動レベルに基づいた性能値に関する再検討

摘要

筆者ら1) は、木造大スパン床を対象に、歩行により発生する床振動の居住性からみた評価方法を確立することを最終的な目的として、人間の振動感覚，評価と対応する性能値に関する基礎的検討を行った。具体的には、31 種の在来軸組構法試料床で発生する46 種の歩行振動を検査試料として官能検査を実施し、振動に気付くか、あるいはどの程度大きく感じるかを表す“ 認知大きさ尺度” と、住居の居室を想定した場合どの程度気になるかを表す“ 気になり具合評価尺度” の2 種の心理学的尺度を構成した。つぎに、官能検査時と同一の条件で歩行振動を測定し、得られた加速度・時間曲線から算出される各種レベル波形と心理学的尺度との関係から、レベルの最大値や最大値にレベルの時間変化の要因を加味した値など、いくつかの性能候補値を提示した。本報では、これらのうち振動レベルに基づいた性能候補値について、さらなる検討を加えた経過，結果を述べる。