圧電素子を用いた自己給電型超音波センサの発電回路の検討

摘要

近年，機械やインフラ構造物などの老朽化が原因となり，機械の故障による人身事故や構造物の倒壊事故などが問題となっている．この課題に対して，機械や構造物が稼働中に自己の状態を監視し，損傷などの予兆を把握することが重要であり，このような概念は構造ヘルスモニタリングと称され近年急速に発展している．現在，構造物の温度，圧力，ひずみなどの物理量を受動的に計測し，状態監視を行うシステムが実用水準を満たしつつあるが受動的な検知システムであるため疲労などの構造損傷の兆候を早期発見することが難しい．したがって，今後の状態監視手法は受動的ではなく，超音波などを用いて能動的に構造物に作用し，力学的な情報を引き出すことが必要である．また，このような状態監視手法の達成には埋め込み型アクティブセンサを構造物に高密度に分散配置することが求められる．