波長掃引超高速レーザパルス列を用いた透明固体材料中のレーザ誘起応力波ダイナミクスのシングルショット2 次元バーストイメージング

摘要

サブピコ秒以下の時間領域における高速過渡現象をシングルショットでバーストイメージングする手法として，線形周波数チャープレーザパルスをプローブ光に用いたSTAMP がある．STAMP は，チャープパルスの瞬時周波数に遅延時間を対応させ，スペクトル帯ごとに空間的に分離することで2 次元高速バースト撮影を実現する．フレーム間隔、全体の時間窓はパルスの2次分散量で可変にできる．回折光学素子（DOE）とバンドパスフィルタ（BPF）によりスペクトラルイメージ分割を実現した改良型SF-STAMP(Fig. 1) では最大25 枚の同時撮影が実現されている．しかし，材料分散を利用したプローブパルスの時間幅伸張方法には限界があり，これまでのSF-STAMP の撮影時間窓は最大で～70 ps に制限されていたため，適応できる超高速過渡現象は限られてしまっていた．我々は，SF-STAMP 法の時間窓を拡大し，衝撃波やアブレーションプルーム等をシングルショットで観測するために，傾斜ミラー対の多重反射を利用して自由空間でパルス幅の伸張を行う光学系FACED (free-space angular-chirp enhanced delay) (Fig. 1)を応用し，計測時間窓を300 ps に拡大し5 枚のバーストイメージングを行うことに成功した．