コンクリートポンプ工法によるコンクリート工事の諸問題

摘要

コンクリートポンプ工法によるコンクリートの施工技術は、近年になって著しく進歩した。超高層建築の高所圧送、鉄筋コンクリート造集合住宅の高強度コンクリートの施工、コンクリート充填鋼管柱の施工、ポンプを主体とした各種組合せ工法およびブーム搭載型コンクリートポンプによる中小規模建築の施工の合理化などがそれである。これらはコンクリートポンプの高性能化、関連業界における指針類の整備および圧送業界の技能者育成プログラムの充実などが大きく貢献している。その反面、コンクリートの不適切な取扱いによる構造体コンクリートの不具合の発生、老朽コンクリートポンプによる事故の発生、骨材事情に伴う施工性の悪化、リサィクル材料をはじめとするコンクリート材料の多様化、労務事情や環境問題など新たな技術課題も多くある。