中国三江平原における稲作経営の労働過程と農家経済 －新華農場第17生産隊の事例（その2）－

摘要

本論は、中国三江平原の新開稲作地帯における家族経営の性格をその労働過程と経済、生活過程に即して明らかにすることを課題としている。　分析の素材は、新華農場第17生産隊の農家に記帳を依頼した2007年度の労働日誌ならびに農家収支簿である（註1）。なお、記帳簿の整理後の2008年3月に補足調査を実施している。同様の記帳調査による調査研究の経験は、坂下が参加した1991年のポーランドの事例（青野［1993］）、朴、坂下による1995年の書林省の一般農相の事例がある（朴ほか［1999］）（註2）。今回の記帳に当たっても、これらをもとに調査設計を行った。